会社のホームページを立ち上げたい場合、サーバー環境の構築が必要となり、コストもかかり、高度な技術も必要となります。
そういった時に便利なのがレンタルサーバー。
レンタルというだけあり、サーバー環境を貸してもらう代わりに、月額費用を支払う事で自社のサーバー環境を構築せずとも会社のホームページやブログ、アプリなど、様々なものに利用出来るようになります。
レンタルサーバーを導入するメリットは、24時間365日フル稼働してくれる環境の構築や、セキュリティ、人件費、電気代、メンテナンスなどの費用が掛からないという点です。
その代わり初期の導入費用、月額費用が高いのではないかと不安になられている方も多いかと思いますが、例えば当社の取り扱うレンタルサーバーのプランの場合、290円からなので、非常に低コストで利用できます。
そんな便利なレンタルサーバーですが、右も左も分からない状態で利用するには不安があるかと思います。
本記事では、全くの初心者でもレンタルサーバーというものはどのようなものなのか、分かりやすく解説していきます。
サーバーの仕組みについて
レンタルサーバーのメリットやデメリットを知る前にまずサーバーというものを知っておく必要がありますのでまずはサーバーに関して簡単な説明から入ります。
サーバーとは?
サーバーとはそもそも、利用者からの要求があった際に、それに応じて何かを提供する人という意味があります。
レンタルサーバーに関しても同じように、ユーザーからの「httpリクエスト」などの要求に応じて、適切なデータやファイルを提供するためのコンピューターのことを指します。
ちなみにhttpリクエストを簡単に説明すると、ブラウザのアドレスバーにURLを入力することで、ある場所のあるページを出力して欲しい、などといった意味合いになります。
このように、WEBサイトを訪れたユーザーから何らかの要求が合った場合、サーバーはその要求に応じた必要な情報を提供するという機能を持っています。
実はWEBサイトは、作成しただけではインターネット上に表示されることはなく、作成したファイル群をサーバーにアップロードする必要があります。
サイトの訪問者からリクエストがあったとき、サーバー側がユーザーの要求に対応したファイルやデータを適切に提供することで、訪問者はようやくWEBサイトを閲覧出来るようになります。
この際、ユーザー側からの要求で行わる「httpリクエスト」に応えるためには、ドメインというものが必要となります。ではドメインとはどのようなものか、みていきましょう。
ドメインとは?
WEBサイトを保管したサーバーがあり、その閲覧出来る場所を特定するものをドメインと言います。
ドメインは以下のようにアドレスバーに入力されますが、http://〇〇.〇〇の、後半の〇〇.〇〇の部分がドメインとなります。
(例:http://sample.com/であれば、sample.comの部分です。)
サイト訪問者がブラウザのアドレスバーにドメイン名を入力すると、サーバーの場所が特定され、ブラウザでWEBサイトの閲覧が可能となります。
ここで特定のWEB サイトのオーナーが所有する固有のドメインのことを、独自ドメインと言います。
例えばサーバーは土地、WEBサイトは土地に建った建物、ドメインはその場所を現す住所です。図解するとこんなイメージです。
ここでサーバーを用意しただけでは、何も出来ないのですが、一定の条件が満たされると、WEBサーバーとして機能します。
サーバーにはソフトウェアが必要
サーバーはそれ単体では機能せず、WEBサイトを表示するために、専用のソフトウェアがインストールされている必要があります。
例えば、下記のようなソフトウェアを指します。
- メールサーバー…メールサービス
- FTPサーバーで…ファイルの転送
- プリントサーバー…プリンターの共有
- データベースサーバー…データベースの処理
これら複数のソフトウェアがインストールされて、初めてサーバーとして機能するようになります。
これはWindowsやOfficeなど、ソフトウェアがインストールされていないと何もできない普通のパソコンと同様です。
またサーバーは、そこで提供されるWEBサイトなどのサービスにアクセスして、実際に利用する人がいないと存在の意味も無くなってしまいますが、ここでその利用者側をクライアントと呼びます。
ここでは、サーバーを理解するのに重要な、サーバーとクライアントの関係も解説していきましょう。
サーバーとクライアントとはどのようなものかと言うと、インターネット上でデータを提供している側をサーバー、データを受け取る側をクライアントと呼び、それぞれがあって初めて意味をなします。
クライアントからの要求があったとき、それに合わせてサーバー内の画像ファイルやHTMLファイルなどのデータを加工して、WEB サイトなどのサービスが提供されます。
サーバーの役割を簡単にまとめると、サーバー内に保管されているデータを、インターネットを通じて提供するためのもの、ということになります。
これらを一定期間借りられる「レンタル」という形式で提供されているのがレンタルサーバーです。
レンタルサーバーの種類
レンタルサーバーは、おもに4つの種類に分けられます。
- 共有サーバー
- 専用サーバー
- VPSサーバー
- パブリッククラウド
詳しくは他のページで解説するので、ここでは簡単な解説に留めます。
共有サーバーについて
1つのWEBサーバーを、複数のユーザーが共同で利用するものを共有サーバーといいます。
イメージするとマンションの一室を借りるというのと同じです。建物(サーバー)には多くの入居者がいる状態です。
共同ユーザーの誰かが粗い使い方をしてしまうと、他のユーザーの使用に支障をきたすので、メモリなどの機能には厳しい制限が課されています。
その分、メリットとしては非常に安価な価格帯が設定されている事が多く、中には月額100円程度の価格で契約を行うこともできます。
専用サーバー
物理的に1台のサーバーを、1ユーザーが完全な形で専用出来るものです。
CPU、メモリ、ソフトウェアなどの制限が課されず、自由に利用できるようになっています。
イメージすると庭付きの戸建を借りるのと同じようなイメージです。あらかじめ建物は建てられているため、ある程度の住み方というものは設定されていますが、与えられた領域は全て自身が使えます。
他のユーザーへの影響を考える必要が無いので、カスタマイズも自由なのが特徴です。
共有がいいか専用がいいかと聞かれるともちろん、専用の方がメリット自体はあるもののネックになるのがコスト面です。
初回設置料金も10万円前後というところも多いですし、月額料金も数万円ほど掛かりますので、使いこなせなければコストパフォーマンスが合わない事もあります。
VPSサーバー
VPSはvirtual private serverの略称です。
物理サーバー1台にOSがインストールされ、そのOS上に仮想サーバーとして一定の領域が割り当てられ、その部分を専有出来るという仕組みです。
イメージすると、土地だけ貸してもらい、そこへ家を建てるのか、資材置き場にするのか駐車場にするのかなど活用方法に関しては全て自由に行うことができます。
ホストOSとは別にOSがインストールされ、その仮想サーバーの範囲内で自由な操作が可能です。
運用は全て自身で行う必要があるため、専用サーバーよりも自由度が高く、さらに低コストで始めることができるのが特徴です。
パブリッククラウド
一定の領域が割り当てられる部分ではVPSと似ていますが、イメージとしてはマンションの全部屋を借りるのと同じようなイメージです。
1つの契約でVPS環境を複数作ることが出来るため、自由度で言うとVPSよりも非常に利用幅が広がります。
また、サーバーのスペックが変えられる点が大きな違いです。
パブリッククラウドでは、SaaS、PaaS、IaaSなどの領域があり、自由に操作出来る範囲が異なっています。
スペックの変更は可能ですが、それに応じてコストも上下します。コスト面でいうと、共有や専用、VPSの場合は月額制のものが多いですが、クラウドの場合は従量課金性となっていることが多く、最低固定費の上に利用料金が加算される仕組みとなっています。
これら4種類のサーバーについてざっくりと説明させていただきましたが、これらがあることによってどのような事が出来るのか?という事を説明していきます。
サーバーがあると何が出来る?
サーバーによって出来る代表的なこととして、これらのものが挙げられます。
- メールの利用
- ホームページの開設
- ブログ運営
- オンラインストレージとしての利用
多くの方は、自分のお店や団体のホームページを立ち上げたいという方がほとんどかと思いますが、このような利用方法も行うことができます。
サーバーにメールサーバーがインストールされていると、メールの送受信が可能になります。
サーバーでのメールソフトを使用したメールの送受信では、独自ドメインの使用も可能となっていて、@の後にそのドメイン名を付された形で利用されます。
メールアドレスは、プロバイダーから提供されるメールのほかに、Yahoo!やGoogleなどの無料で提供されているフリーメールもあり、それらを普段から利用されている方も多いでしょう。
無料で利用できるフリーメールがあるのに、有料のメールは必要ないだろう…と考えてしまいがちですが、やはり独自ドメインによるメールには大きな意味があります。
どういうことかと言うと、メールアドレス自体の信頼性も得られ、またセキュリティの観点からユーザーの信頼も獲得出来るので、企業などで使用されるメールには、独自ドメインによる場合がほとんどです。
レンタルサーバーにWEBサーバーがインストールされることによって、作成したホームページを世界に向けて公開出来るようになります。
このWEBサーバーに、決められた形式のファイルや画像ファイルなどをアップロードすることで、ホームページのインターネット上への公開が可能になっています。
公開に際しては、レンタルサーバー側から用意されたサブドメインか、自身で用意した独自ドメインなどが使用されます。
サブドメインを使用するか、独自ドメインを使用するかについては、ウェブサイト運営の目的によって判断がわかれますが、敢えて有料で独自ドメインを用意するメリットは実はいろいろとあります。
レンタルサーバーを借りると、ホームページの作成だけに限らず、独自ドメインを使った個人ブログの運営も可能になります。
個人ブログの場合もホームページと同様、独自ドメインによる運営が可能なので、多くの人に覚えてもらうブランディングとしての機能を果たし、またSEOに強いブログとして集客力も得ることにつながります。
オンラインストレージとは、データをオンライン上に保管できる場所を指します。
サーバーは、数十~数百GBもの容量が用意されていることが一般的で、WEBサイトやブログで使っている容量の残りの部分は、オンラインストレージとして使用することが可能です。
サーバーは容量が大きく、意外に容量が余っていることも多いのです。オンラインストレージサービスは数多くありますが、無料で使える容量は上限がある場合がほとんどです。
サーバーを持っていると、その空き容量によっては、無料のオンラインストレージを超える容量が保存できるわけです。
このように、サーバーがあることによって、様々な用途で便利な使用が可能になります。
実はこのサーバーですが、借りる以外にも、自分でサーバーを構築するという方法もあります。
それは、自宅でサーバー環境を構築するというものです。
それではこの方法のメリットやデメリットについて解説します。
自宅でサーバー環境を作るには?
一定の条件が整えられるようであれば、自宅でサーバー環境を作ることは可能です。
しかしサーバーを手作りする場合、メリットだけでなく、デメリットもあるということを認識しておく必要があります。
自宅でサーバー環境を作る際に、メリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
自宅でサーバー環境を作るメリット
- サーバーやネットワークの知識が身につく
- 自由度の高いサーバー環境が構築できる
自宅でサーバーを運用するとした場合、サーバーやネットワークの知識が必要となります。
そのためサーバーの運用を続けていくにともなって、プログラマーとして最低限の知識や、操作方法が自然と身に着いていきます。
サーバーに使用する機器や、サーバーのソフトウェアのインストールなど、全て自分の望み通りに設定できてしまいます。もちろん、それ相応の専門的な知識は不可欠です。
自宅でのサーバー構築は可能ですが、その方法で運用するメリットは、実はあまり多くありません。
ただ自分でサーバーを運用することで、かなりの知識が身につけられることは、大きなメリットと言えるでしょう。
自分好みのカスタマイズを施すことによって、用途に最適なサーバー環境の構築が可能となりますが、それ相応の専門知識は不可欠です。
しかし、こういったメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。
自宅でサーバー環境を作るデメリット
デメリットを上げると以下の4点が言えます。
- サーバーの設置費用を要する
- サーバーの設置スペースが必要
- 不具合が起きた時のメンテナンスは自身でする必要がある
- セキュリティ対策も自分でする必要がある
物理的にコストや場所が必要ということもありますし、不具合が起こった際に対処できるのかという点がネックになります。
自宅でサーバーを構築するには、高性能なパソコンが必要なように思えますが、実は一般的なWindowsのパソコンでも十分構築が可能です。
サーバー専用に使うだけのパソコン本体を購入するとした場合、一般的なパソコンでも十分なのですが、それでも数万円ほどの資金を要します。
さらにサーバーの設置・運用となると、24時間稼働し続ける必要があり、その分電気代がかさむことになります。
加えて、自宅でサーバーを運用する場合は、固定IPアドレスを使えるプロバイダーとの契約も必要です。
これらの費用をすべて合わせると、レンタルサーバーを使う以上に運用費用が必要であることがわかります。
サーバーの設置スペースは、広めの場所が必要です。サーバーの運用が始まると、24時間稼働し続けるようになります。
もしパソコンをギリギリ置ける程度の狭いスペースでは、最悪の場合、火事の原因にもなります。
設置スペースは十分な広さを確保し、サーバーの周りには物を置かないようにしましょう。
サーバーに不具合が起きた場合は、全て自分で対処する必要があります。
もちろんメンテナンス期間中には、サーバーを使うことができません。また様々な原因によって起こる不具合に対処できるほどの、高度に専門的な知識が必要になります。
ブログやWEBサービスを運用する方にとって、サーバーのメンテナンス自体に時間を取られることは、かなりのデメリットとなります。
サーバーを自分で運用する場合は、セキュリティ対策も自身でしっかりと行う必要があります。
サーバー内に重要な情報は無いから大丈夫!などと思っていても、そのサーバーを経由して、別のサーバーへ攻撃を仕掛けるといった、いわゆる「乗っ取り」が起こる可能性もあります。
サーバーを構築する際には、できるだけ強固なセキュリティ対策が必要です。
ここまで見てきて、自宅でサーバーを運用することは可能であるものの、メリットよりもデメリットの方が多いということがわかるでしょう。
WEBサイトの運用のためにサーバーがあるのですが、そのサーバーを運用するのに大きく手間をとられてしまっては、元も子もありません。
そのため、手間もかからず、費用も安価で、しかも安全なレンタルサーバーを利用するほうが多くの場合得られる利益は大きいです。
それでは、レンタルサーバーの利用によって得られるメリットとはどのようなものがあるのでしょうか?
レンタルサーバーを利用することのメリット
レンタルサーバーの利用は、初回設置料金や月額利用料などのランニングコストが発生しますが、自身でのサーバー運用と比較して多くのメリットがあります。
レンタルサーバーを利用するメリットは、次のようなことが挙げられます。
- サーバー構築の手間が省ける
- 費用が低額
- 24時間365日安定したサーバー環境で運用できる
- 高度に専門的な知識は不要
- 万全なセキュリティ機能
一言で言ってしまえば、サーバーの中身となるデータのみを考えておくだけで良いだけですので管理が楽という事。
サーバーを自分で構築するには、かなりの専門的な知識が必要になります。
レンタルサーバーを利用すると、契約してすぐにサーバーを利用できるようになり、専門的な知識も不要です。
レンタルサーバーの初期費用はかなり低額です。
レンタルサーバーの中には、初期費用を無料で使える業者も多く、サーバー用のパソコンを購入する必要もないので、まとまった初期費用は必要ありません。
月額費用はピンキリですが、初心者にも負担が少ない、安価なプランもたくさんあります。
WEBサイトの運営ではアクセスアップに伴い、サーバーの増設が必要になる場合もありますが、レンタルサーバーの利用においては、追加で多額の費用を要することもありません。
レンタルサーバーの利用によって、メンテナンス作業やトラブルの対応は業者側の業務の範疇です。
そのため、自らトラブルの対応やメンテナンス作業は不要です。電源や空調も完備されていて、常に安定したサーバー環境が保たれています。
レンタルサーバーを利用すると、サーバーの構築やメンテナンス、セキュリティ対策の全てを業者が行ってくれるので、サーバーの利用に専門的な知識は不要となります。
トラブルが発生しした場合も、レンタルサーバーの業者が対応してくれるので、初心者でも安心です。
レンタルサーバーはセキュリティ対策も万全で、データが破損した場合でもバックアップからの復元も可能となっています。
ただしバックアップからの復元に関しては、オプションとして別料金が必要という業者もあります。
気になる方は、サーバー契約前にこの点を事前に確認すべきでしょう。
サーバーとは、サーバー関連の専用ソフトウェアのいくつかがインストールされ、ユーザーの要求に応じたデータを提供するコンピューターのことを指します。
サーバーは自宅で運用する方法と、レンタルサーバーを利用する方法とがありますが、それぞれメリット・デメリットはあります。
自宅でサーバーを構築して、サーバーの知識を深めたいということであれば、自宅運用のメリットは大きいです。
しかしサーバーの技術面に関する専門知識がなく、かつ安定したサーバーの運用を望むのであれば、レンタルサーバーの利用が最適であると言えるでしょう。